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私と当社のYK氏は香港に三日間滞在した後、マレーシアの首都クアラルンプールへと向かった。
クアラルンプール郊外には当社から支配人を派遣しているゴルフ場があり、そのゴルフ場と更に一カ所程度ラウンドしたいと考えていた。
香港の啓徳空港を午前中に飛び立ち、クアラルンプールに到着したのは、確か午後の早い時間だったと思う。
私達は足早にイミグレーションに向かい、混雑する前に並ぶ事ができた。
私達の列には二人並んでいたが、最初の一人がトラブっているようで、なかなか進まない。
ついにマレー人の係官は、その男を脇に追いやって次の男を呼んだ。
二番目の男は難無く通過した。
次にYK氏が呼ばれ、彼も無事通過した。
いよいよ私の番である。
少々緊張しながらカウンターに歩み寄り、パスポート、入国書類、航空券を差し出した。
係官は無表情でそれを受け取りながら、脇でトラブっている彼に何やら指示を出しているが、当の本人は何を言われているか理解できていないようである。
係官は、もう一度口を開いた。
今度は私の耳にも聞こえた。
「Address in Malaysia.」と言っていたようだ。
彼の方を覗き込んで見ると、まだ分からないらしい。
中国系の方とお見受けしたので、私は「ニーチューナーリ?(あなた、何処に宿泊するの?)」と聞いてみた。
分かったようで、彼がカードに記入し始めたのを見ていると、見当違いのことを書いているようである。
慌てて私は他に言い方がないか考え、今度は「飯店名子(ホテルの名前)」と言ってみた。
彼は大きく頷き、自信を持って書き始めた。
今度はホテルの名前を書いている。
同時に係官も安堵の表情を浮かべ、私に礼を言いながら書類一式を手渡してくれた。
マレーシアのイミグレーションで日本人の私が、マレー人とチャイニーズの通訳をしている光景を傍から見たら、さぞかし滑稽だったことだろう。
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